[皇室点描]両陛下の敬意とねぎらい(読売新聞 2021年9月12日)

天皇陛下が名誉総裁を務められた東京パラリンピックが5日に閉幕した。13日間に及んだこの大会には、障害者スポーツの発展に貢献されてきた陛下とゆかりのある選手や関係者が多く参加した。

 開会式では、聴覚障害を抱える歌手の中村清美さん(44)との再会があった。中村さんは「翼」をテーマにした開会式の演出で、飛行機の誘導役を演じた。11年前の全国障害者スポーツ大会の開会式で、陛下と手話で交流した経験があった。今大会はそうした場面はなかったが、陛下の前で再びパフォーマンスできたことに感動した様子だった。

 車いすバスケットボールの代表選手のうち5人は、ご一家が4年前、観戦された日本選手権大会にも出場していた。その時に懇談しており、今大会の活躍を感慨深く見守られた。視覚障害者柔道に出場した永井 崇匡たかまさ 選手は学習院大の職員。出身校ということもあり、陛下は親しみを覚えられたようだ。

 コロナ禍でテレビ観戦になった今大会だが、天皇、皇后両陛下は、選手や関係者に対し、深い敬意とねぎらいの気持ちを持たれているという。(社会部 鈴木貴暁)(読売新聞 2021/9/12)

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【掲載された紙面】

読売新聞 2021/9/12

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